変わらないものなど
年末年始、岐阜の実家に帰りました。
いつものように午前6時に深夜バスを降りて、母に車で家まで送ってもらいました。
実家を出てから3年。
知らないうちに私の部屋は物置になっていて、去年は1台だけ置かれていた使わないテレビが2台になっていました。
リビングにあったこたつはストーブになっていました。
ウッドデッキはなくなりました。
洗面所の電気は点かなくなりました。
お風呂場の換気扇は新調されていたし、電子レンジもちょっといいやつになっていたし、2台あった祖父母のプリウスは軽自動車1台になっていました。
久しぶりに会った母は松葉杖をついていました。
リビングにはどうやって2階から運んできたのか、母のベッドが置いてありました。
久しぶりに会った祖父は、昔よく座っていた座椅子に座ることができなくなっていました。カーテンのフックが外れているのを自力で直すこともできなくなっていました。
可愛がっていた猫もいなくなって、去年はあったはずの空の猫用トイレもなくなって、小学生の従兄弟たちはぐんと背が伸びて、学生時代によく通っていたお店もなくなって、隣の田んぼを管理していたおじいさんもとっくに亡くなって、変わらないものなど何もない。
母の松葉杖に巻かれた見覚えのあるぼろぼろのナフキンに「いもとみくに」と書かれているのを見て、ほんの少しだけ救われたような気持ちになった年明けでした。