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わかんないのはいやだ

他人のことなんてわからない。

私にわかるのは所詮自分の想像の及ぶ範囲でしかない。

だからこそ、他人を理解したいし理解されたい。生きているだけで心は磨耗して焦りばかりに囚われて、いつしか誰かを理解したいなんていう気持ちは薄れていく。歩み寄る姿勢がなければいつまで経ってもふたりの関係は平行線でしかない。

イライラする。分かり合えなさを突きつけられると、どうしようもない怒りと焦燥が募る。

私は怒っているのだ、とようやく気づく。視野が狭まっていつのまにか自分のことさえも見えなくなっていく。

人間は円だ、と思う。

人の数だけ円があって、どれほど近づいても同心円にはなり得ない。違うからだ。

でも違うことは絶望ではなくて、私とあなたが異なる人間であるということは確かに希望で、違うからこそ理解したい。違うからこそ理解されたい。

2つの円の接点を見つけたい。わかり合いたい。分かり合えなさの中でわかることが嬉しい。

いつだって誰かと生きていたい。それが舞台の上でなくとも。

ああ/君の気持ちを/わかんないのはいやだ/わかったふりもいやだ/どうやって伝えよう


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